ロストールに着いて早速王城へ。
「今からロストール王妃エリスに会う。 奴はファーロスの雌狐との異名を取る謀略家だ。とにかく、気を付けろ。」
 はい。兄さま大丈夫でございますよ。前世で貴方に鍛えられましたから色々と。
 又もや選択肢 『エリスについてもう少し尋ねる』『うなずく』私はエリスに付いてよ〜く知っているので迷わず『うなずく』を選んだわ。
「フッ、何も考えずうなずくか…まあ、根拠のない 頼もしさもいいものだ。」
 本当はもっと兄さまの声を聞いていたいんだけどここはあっさりいかないとね。
 謁見の間に行くとエリス王妃が微笑んでいたわ。良かった、無事間に合ったのね。
 早速ノーブルでの事について訪ねてきたわ。
「さすがにお耳が早い。ノーブルの代官ボルボラが 死にました。事故死です。」
 王妃は死因までは聞いていないと苦笑している。
「一応、ご報告申し上げたまでです。弟エストが処理に当たって います。近日中に詳細をご報告できるかと。」
 エストって報告書とか書くの上手そうよね〜。流石研究者。
 エリス王妃はボルボラに問いただしたい事があったみたい。それってダルケニス関係ですか?
…次のターゲットは貴女なのかしら?私は胸元にひそばせている「こいつを殺れば万事解決ブラックリストにエリスの名を書き込んだ。個人的にエリス王妃って嫌いじゃないのよね。私が考えにふけっている間もエリス王妃と兄さまの会話は続いている。
 エリスが書簡について糾弾している。ノヴィンめ、そんな嬉しそうな顔しなくても…。
 まぁ良いわ彼はあと少しの命ですものね。
「故人の恋文を覗き読むとは、いい趣味をお持ちですな。」
 レムオン兄さまが嫌味で返しているわ。冷血の貴公子、話術が高いのね。
「ボルボラがこの書簡の出どころを明らかにしないまま死んだとあっては、鵜呑みにはできぬ。 しかし、手紙を手に 入れて直後の事故死とは、偶然にしては出来過ぎと思わぬか?しかも ボルボラはそなたの領地で悪事を働き、そなたを困らせていたというではないか。 この上ない幸運であったな、エリエナイ公。」
 エリス王妃がいかにもお主がやったのであろう?な口調で言葉を紡ぐ。真相を知っている者同士の言葉のやりとり。ちょっと怖い。だから貴族は皆性格がひねくれてしまうんだわ!
「フフ…おたわむれを。彼は有能な男でした。 現にこれまでボルボラの後を任せられる者がおらず、頭を悩ませて おりました。」
 をを、レムオン兄さまの反撃開始ね。
「ですが、ようやくその結論が得られたので、今日はそのお願いに上がった次第です。」
 さ、ようやく私の出番ね。あ、髪型は大丈夫かしら?
「ノーブルの支配を、我が妹リディアに任せたく 存じます。」
 ぎょ、っとしたようなノヴィン。驚いたような王妃。
 その間もレムオン兄さまは私の事を王妃達に紹介している。そう、私が隠し子です。
「ボルボラ亡き後のノーブルを統制するために、 なにとぞ我が妹リディアに、ノーブルの伯爵の称号を。」
 ノヴィンが反対するのをよそめに王妃は云う
「陛下、この者に伯爵の称号を。」
 やる気がない度ナンバーワンの国王セルモノー。こんなんで大丈夫なのか、この国…。
 私はノーブル伯の名と盾を頂いた。どうせなら剣の方が良かったなぁ…ダブルブレードのスキルあるし…今の状態じゃお金がなくって買えないのよね…。
 とにかく一段落ついて私達はリューガ邸に戻ってきたわ。ああ…懐かしい…。
 セバスチャンにも久しぶりに会えるのね。
「とにかくお前はロストールで1、2をあらそう 大貴族リューガ家の一員となってしまったのだ。本来なら処刑されるところ だったのだからな。それくらい耐えろ。よいな、我が妹リディア、 また帰ってこい。」
 ええ、もちろんですわ、お兄さま。
 私が退出したあとにお兄さまが呟く。ふふ、聞いていないと思ったら大間違いよ?
「…不思議な女だ。可能性の女神がいればあんな感じか…。 まあいい、バカで退屈な貴族どもには飽き飽きしていた。奴がいれば脳が腐らずにすみそうだ。」
 可能性の女神…それって最高の褒め言葉ね。
 そう、今の私はまさにその『可能性』にかけているの。
 貴方と共にエンディングを迎える為にね。

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