「ねーそういえばリベルダムが占領されたんだってよ」
「へぇ〜」
「へぇ〜ってリディア、それで良いの?ルルアンタちょっと心配だよー」
 酒場でいつものごとく紅茶を飲みながら交わされる会話。カルラの配下になっても良かったんだけどそうすると兄さま関連の物事が何かと大変なのよね。
 イベント色々かぶってるし。
 クリュセイスは…まぁ仏の顔も一度きりって言うの?
 やっぱり逆恨みで行動する子には付き合ってられないわ。根は良い子なんだろうけどね。
 ああいういかにも世間を知らないお嬢様的な子は一度世間の辛さを知るのも良いと思うのだけど。
 守られるだけじゃやっていけないのよ?
「次の行き先は決めているのか」
 横からセラが声をかけてくる。…お腹冷えないのかしら?一歩間違えれば変態よね。
 ま、顔がよければ全て良し!なのよねーこの世界って。でも好みだからいっか。
 ちなみに今のパーティーメンバーはルルアンタ、セラ、デルガド。
 やっぱりデルガドって結構使えるのよね。
「うん、一度エンシャントへ行ってアンギルダンと会ってからアキュリュースに行こうと思って。
色々あったからその後の事も心配だし」
 それにそろそろ竜殺して回らないと。未だ1匹だものね。これからはちゃっちゃと殺るわよ。

 私が心に決めた通りそれからのイベント関係はさくさくすすんだわ。
 ジラークに会って、イークレムンがシャリにさらわれちゃって。
 てかアンギルダンからよくイークレムンみたいな美人さんが産まれたもんだわ。
 きっと奥さんが美人だったんだろうなぁ…
 そして面倒臭いラドラス戦。
 はぁ…嫌になっちゃう。あの構造といい……。迷うわ…本当に。
 あと時間のカウントも止めて欲しいのよね。凄くどきどきするから。
 エステルも巫女さん姿の方が好き。
 でもあの格好で戦闘させたらあの布が邪魔そうなのでいつもの服の方が良いよと云っておいたわ。彼女の事だからすぐ布破きそうだし。
 そういえば久々にシャリと話したけどなんか嫌な事言ってたなぁ…

「やぁ、久しぶりだね」
「御陰様でこの通りよ」
「君は気付いているのかな?いくら起動修正しようとも逃れられない運命があるって事を」
「…逃れられない運命?」
「そう。決められた、どうしても変える事の出来ない運命だよ」
「危険分子はほぼ排除したわ。それでも?」
「それでも」
「何故?」
「それが『運命』と云うものだからさ」
「ならば私がその『運命』に打ち勝ってみせるわよ」
「出来ないよ。君は『人』だから」
「例え可能性がゼロでもやってみせるわ。足掻いて立ち向かう事が出来る。それが私と言う人間だから。……絶対に、諦めない」
 私が言い切った所でシャリは肩を竦めて、いつものあの人を小馬鹿にしたような笑みを浮かべる。
「相変わらずだね、君は。ならばやってみるが良いさ。それで満足するなら」
「言われなくてもやるわよ」

「ただ、一つだけ忠告しておくよ」

 君は、幸せにはなれない。

 シャリはその後すぐに消えてしまったけど…あの、最後の言葉が胸に刺さって抜けない。

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