「なるほど……リーマスがそんな事を…」
 軽く舌打ちをしてシリウスはやれやれ、と言った感じでため息をついた。
 この様子を見る限り昔からルーピン先生は人に宿題を出すのが好きだったらしい。学校の授業では全然出さなかったのに…変なの。
 とにかくこれで僕の眠れない原因が解決するかと思うと、思わず踊り出したい気分にかられる。勿論深夜だし人様に迷惑がかかる事なので実際にはやらないけれど。きっとシリウスは良い打開策を知っているに違いない。
「どう!?シリウス、何か良い考えある?!」
「いや………こればかりは私に言われてもな…」
 どうしたものか、と腕組みをするシリウスに僕はベットの上を移動して彼が座れるスペースを設けた。僕の行動に気付いたシリウスはそっと、遠慮がちに腰を下ろす。

 こうやって考えてる横顔を見ると、シリウスってかっこいいよね。
 こんなにかっこ良い人が僕の後見人だと思うと鼻が高い。誰だって自分の家族は自慢したいものだ。それが美青年ともなればなおさらの事。
 ふふ、と思わず微笑を漏らすと、シリウスは微妙な視線でこちらを見た。丁度授業中に他の作業をしているのを見つけた教師みたい。
「ハリー君自身の事なんだから…真面目に考えているのか?」
「ごめんなさい」
 微笑みながら答えるとシリウスは形だけの拳骨を作って僕の頭を軽く叩いた。その仕種が親子みたいだな…と思って又笑みが漏れる。
「仕方がない…それでは一緒に考えてみようか?」
「うん!」

「じゃあ…まず好きなタイプをあげてごらん?」
「えっと…綺麗な人、かな」
 僕の答にシリウスは少し困ったような顔をする。やっぱり漠然としすぎてたのかな…。
「もう少し、具体的に…。そうだな。顔が可愛いとか、髪が長いとか、年上とか…」
 シリウスの言葉を少し考え、なんとなく自分の中で固まってきた理想のイメージ像を言葉に表わす。理想が高くても別に良いよね?だって理想、なんだし。
 えーっと……。

「髪が長くて」
「うん」
「顔が綺麗で」
「うん」
「背が高くて」
「うん」
「運動が出来て」
「うん」
「頭も良くて…」
「うん」
 あれ?
「ハリー…それは随分と理想が高いんじゃないか?うん?まだ続くのかい?」
 続きがあるなら話してごらん、と促され。僕は最後の理想を伝える。

「頼りがいがあって…」
「うん?」
 あれれ?
 ハリーは年上が好みなのか?と笑うシリウスの横顔を見つめ、僕は微妙な心境に陥った。
 ちょっと待って。今上げたのは、僕の好きな人の理想像だ。
 友達とか…そういうのじゃなくて……。
 ちょ、ちょっと待って。落ち着いてもう一度考えよう。僕の『好き』な人は…髪が長くて、顔が綺麗で、背が高くて、運動が出来て、頭が良くて……頼りがいがあって………………。
ま、まって。もう一度……。長髪、美形、長身、運動神経抜群、頭脳明晰……………
ま………まって…。というかこの…理想って……もしかしなくても………
 辿り着いた答に顔が火をふいたように熱くなるのを感じる。
 この理想にあてはまる人物が居る。そう、

 自分の目の前に。

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